atriumブログ

デザイン事務所atriumの雑記です

New animations for nium gallery

nium galleryにいくつかの新しいアニメーションを追加しました。
ギャラリーは変わらずに24時間稼働中ですが、なかなか新しいコンテンツをアップロードできていなかったので、久しぶりのアップデートになります。現在は自分が作ったショートアニメーションを上映していますが、今後、他の方々から作品を募って上映できればと考えています。

Drop 01 - nium gallery from atrium on Vimeo.

今回の上のアニメーションもUnreal Engine 4で制作・レンダリングしていますが、下のアニメーションは試験的に最近リリースされたばかりのBlender2.8のリアルタイムレンダラーeeveeを使用しています。eeveeは素早くキレイな絵を出せるかなり強力なレンダラーですが、アニメーションを書き出す際には、直接動画ファイルで書き出せず、連番の静止画でしか書き出せないうえに、連番画像の書き出しとなると、さすがにリアルタイムとは行かず、30fps10秒程度、全300枚ほどの動画でも、1枚数秒の書き出し時間がかかってしまいます。それでもBlender2.79以前のCyclesレンダラーに比べれば尋常でない速さなのですが、UE4のレンダリングに慣れてしまうと、億劫に感じてしまいます。

Fountain - nium gallery from atrium on Vimeo.

Macbook Pro キーボード修理プログラム

普段メインで使用しているパソコンであるMacbook Pro(15-inch, Late 2016)のキーボードが不調になり、特定のキーが押していないのに反応してしまったり、一回の打鍵で二回キーがタイプされるなどの現象が起きるようになってしまった。
この現象は、Appleも公式に不具合を認めているもので、該当するモデルであれば無償で修理に応じてもらえる。しかし、どうしても、メインで使用しているマシンを数日とはいえ修理に出して使えなくなるのがいやで、しばらく問題を放置していた。(普段はラップトプ本体のキーボードでなく、外付けのキーボードを使用しているため、実際そこまで業務に支障が出ていたわけでもなかった。)

support.apple.com

業務のデータは全て外部バックアップをとっており、また、サブマシンのWindowsでも同一の作業ができるようにしているため、数日だけならばと、ついに重い腰をあげてApple storeに修理を申し込んだ。

結果的には、金曜の昼に預けて、3日後の月曜の夜に修理を終えたマシンが戻ってきた。キートップは完全に新品に交換されており、旧キーボードのパチパチと打鍵音がうるさいという仕様上の問題も同時に解決されたので良かった。

そのついでに、長年使用して劣化してきた外付けキーボードも新しいものにした。

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見た目がよりスッキリとし、打鍵感が軽くなったのは良いのだが、本体左下のボタン配置が変わってしまっていたのが残念だった。今まで左下のOptionキーがあったポジションに、CAPS LOCKが割り込んできてしまっている。Optionキーは高頻度で使うキーで、CAPS LOCKは自分は全く使わないキーなので、邪魔きわまりなく、少し設定をいじって、CAPS LOCKキーもOptionキーとして動作するようキーバインドを変えることにした。

システム環境設定 > キーボード > 修飾キー

の部分から設定変更し、CAPS LOCKキーを無効にするか、任意の修飾キーに割り当て直すことができる。

これで快適な作業環境が戻ってきたので、よかった。

nium gallery 02

前回記事のnium galleryの、現在上映しているアニメーションについて…

このギャラリーで上映するアニメーションやグラフィックアート等の作品は、現在は試験的に自作のショートアニメーションをランダムに流している。
(いずれ第三者の作った作品も流したいと思うが…) 特に起承転結といったものはなく、ギャラリーの性質上、「なんとなく通りかかった人が、ふと足を止めて見るような、強い色彩やシンプルな動き」といったテーマで作成していったものになる。数分見続けないと面白いと思えないハイコンテキストな映像でなく、その色や動きそのものを短時間で楽しむようなものを意図している。

Unreal Engine 4

今回のアニメーションは全てUnreal Engine 4(以下UE4)を使用して制作されている。

UE4は基本的にはゲームを制作するためのツールだが、その強力な映像表現と、ノンゲーム分野での使用に関しては完全無料*ということから、映像制作の分野でも使われ始めているソフトで、2015年に、この基本無料という方針が発表された際に、このクオリティのアプリケーションをオープンにしたことに強い衝撃を受けて、それ以来、機を見て少しづつ触っている。

*注:本来のターゲットであるゲーム分野ですら、基本的には使用料は無料で、このエンジンを使用して作成したゲームの売上が、ある一定額を超えた作品についてはロイヤリティを支払う義務が発生する

UE4のシェーディング

Unrealという名前でありながら、基本的には、非常にリアルな質感を伴う映像表現を得意としているソフトなので、通常の使い方をしていくと、海外のAAAゲームにあるような非常に写実的な表現のCG制作に向いているのだが、自分は、そういった画作りよりも、もっとイラスト・絵画的な絵作りに興味があるので、もろもろ質感部分をカスタマイズして使っている。 今回のアニメーションも、ゴチャゴチャっとした通りに流れるアニメーションと対比して、目を引くように、あえてシンプルな画作りをしている。

シンプルな絵や図形であっても、質感に気を配ることで、ただのチープなCGではない表現が可能になる。たとえば下記のイラストレーションは、同じくUnreal Engineでレンダリングしたものだが、少し画用紙のような質感を足してあり、簡略化されたローポリゴンのモデルながらも、繊細な印象を出そうとしている。

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nium gallery 01

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今年の2月ごろから、静岡県浜松市中心市街地にある、小さなビルのショーウィンドウ部分を借りて、nium galleryという小さなメディアアート・ギャラリーを始めた。ギャラリーと言っても、49インチのデジタルサイネージ・モニターが設置してあるだけで、延床面積は一坪もなく、極小の無人アートギャラリーとなる。ギャラリーは、以下の「3つのオープン性」を標榜している。

  • まちにオープン(公共空間に開かれている)
  • 誰にでもオープン(前を通行する人なら誰でも見られる・無料)
  • いつでもオープン(24時間稼働)

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以前より、浜松には美術館やギャラリーなどの施設が少ないと感じており、特にアニメーションやデジタルアート等の分野においては、作品を鑑賞できるスペースは、自分の知る限りでは全く無かった…。

かねてから言われているように、中心市街地の活気が失われて久しい浜松に、何か少しでも文化的な実験を施してみたいと思ったこともあり、そういった映像メディアに特化したギャラリーができないかと考えた。

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映像特化のギャラリーならば、極論すれば設備はテレビモニター1枚のみがあればよく、また、作品のデータをネット経由でモニターにアップロードできるような仕組みを作れば、展示の入れ替えなどの作業がすべてネット上で完結し、しかもネットならば場所を問わず、遠隔地、つまり今自分が住んでいる東京からでもギャラリー管理ができるはずだと思った。

つまり場所コストも少なく(モニター一枚のスペースだけあれば良い)、メンテナンスコストも少ない(ネット経由で作品の上映管理)という、個人が遠隔地からでも運営可能なミニマムなアートギャラリーというものを着想するに至り、実現できる場所をボンヤリと探し始めようとしていたところ、偶然、知り合いが、その構想にピッタリのショーウィンドウを持ったビルの管理人になったために、場所を借りる相談に乗ってもらい、短期間で実現させたのが、このnium galleryになる。

まだ実験的な段階でもあり、現在は自分が作成したいくつかのショートアニメーションを上映している。上述したように、それらは24時間、365日ループ再生されており、前を通る人なら、早朝でも深夜でも、誰でも自由に鑑賞することができる。
今後、もっと映像の数を増やして、少しでもあの通りに彩りを添えることができれば良いと思う。

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MacでUnreal Editor起動時にXcodeに関するエラーが出る

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UE4バージョン4.19の頃からだったような気がするが、MacUnreal Editorを起動した際に上記のエラーメッセージが出るようになった。今は解決しているのだが、これの解決方法が分からずにエラーを出しっぱなしにしている人がいるかも知れないと思い、念のためここにメモを残しておく。

Xcode was not detected on this Mac.
Metal shader complication will fall back to runtime compiled text shaders, which are slower. Please install latest version of Xcode for best performance and make sure it's set as default using xcode-select tool.

エラーの内容は、Xcodeは最新版がインストールされているはずなのに、それが何故か認識されていないというもので、そのままでもUnreal editorの起動や編集は出来るのだが、シェーダーコンパイルの動作がかなり重くなってしまう。

解決方法はUE4 Answer Hubに載っており、App storeからXcodeの最新版をダウンロード、インストールした上で、Macのターミナルを起動し、以下のコマンドラインを打ち込めば治る。

sudo xcode-select -r

詳細は上のAnswer Hubに詳しく載っているが、概要を説明すると、Appleは近年、「2つの」コマンドラインツールを提供しており、ひとつはデフォルトで入っている基本的なUNIXスタイルでの開発で使用するもの、もうひとつはXcode内に含まれているもので、デフォルトで使用するコマンドラインツールを、ふたつ目のXcodeに含まれるほうに変更しておかないと、Unreal EditorがXcodeを認識できないらしい。

上記のターミナルに打ち込むコマンドは、そのコマンドラインツールのデフォルト設定をスイッチするもの。

ブログをwordpressからはてなブログに移転しました

またも長らく放置しまくっていたブログを、はてなブログに移転しました。

ここ2年間で1記事、しかも前回も「ブログを放置していました」といった全く内容の無い記事をアップしたのみで、とても恥ずかしい状況だったため、心機一転、はてなブログに移行して再開することにしました。

学生だった頃から、断続的にではあるものの、かれこれ10年以上もブログらしきものをやっていますが、いわゆるブログサービスを使うのは久しぶりです。今まで、デザインのカスタマイズの自由度から、movable typeやwordpressなどといった、自前でサーバーを用意して運営するものばかりを使用していましたが、SEO等をはじめとするもろもろのメンテナンス性を考え、ブログ部分のみを、もとのatriumのサイトから切り離しました。

はてなブログも、カスタムcssを当てることができるので、文字の細かなサイズ・行間調整・色などの基本的なスタイリングのカスタマイズは問題ありません。
デザインを生業にする何年も前から、文章の印象は、文体だけでなく文章のレイアウトに大きく左右されてしまうことが気になっていたので、当時から、wordpressにしても何にしても、既存のテーマはそのまま使わず、だいたい要素を少し削って、「あっさりとした」デザインに変更してやってきました。自分の文章があっさりとして温度感の無いものなので、はっきりと強弱がつきすぎていたり、ゴチャッとしているレイアウトだと、それに文章が負けてしまうからです。今回も、割とシンプルめの既存テーマがはてなブログにあったので、それをベースに、要素を少し調整しています。

ブログで何のアップデートもできていなかったこの2年も、殆ど常に忙しくデザインに勤しんでおり、新しい試みをもろもろやっていました。
プライベートでも大きな変化があり、今後ますます忙しくなっていきそうですが、その中でも、日々のメモを兼ねてブログをゆるやかに再開していくつもりです。

※ 以前の、atriumのサイト内ブログの記事も全てはてなブログに移行しました。

どうぞよろしくお願いいたします。

ブログ

ブログの更新が止まって1年以上が経過していた。その間、割とずっとバタバタと忙しく、ブログのことは気にかけつつも放置してしまっていた。

このサイトには、未だにかつて作った自作の安価な低温調理器の記事が多く検索に引っかかるようで、毎日複数のアクセスがあるようだ。あれを書いた2016年には、低温調理器というと当時3万円弱したAnovaぐらいしか無かったので、たかがセンサー付きヒーターに何万か払うのは癪だし、自分で作ったほうが面白いと考える層がたくさんいたのは理解できる。だが、2018年現在では複数のメーカーが同じような製品を出しており、安いものでは7000円程度で買えてしまうから、コストパフォーマンス的には自作の低温調理器を作る意義はかなり薄れているとは思う。それでも、あの記事が、「買ったほうが早いし安い」という状況下のなか、あえてDIYすることを選ぶ方々の一助となっているのであれば嬉しくは思う。

ステルス

バタバタとしていて、ひと月以上もブログを更新できていなかった。

先日、疲れていたのでスーパー銭湯に行った。そこはファミリー利用者も多い、漫画喫茶とかレストランとかネットカフェ的なものが合わさったような大きなスーパー銭湯だったのだが、ふとインターネットコーナーを通った時、用意されたPC7-8台のすべてに、幼稚園から小学校低学年くらいの子どもたちが座っていて、全員が、それぞれYouTubeでゲームのプレイ動画を見ていたのが目についた。

Minecraftの動画を見ている子が2,3人いて、残りの半分は、たぶんそれぞれ違うゲームだと思うが、FPS(一人称)の動画を見ていた。戦場ものだったり、異世界ものだったり、いろいろあった。そのなかでも、年齢が一番低そうに見えた女の子が、ステルス系というか、メタルギアソリッドシリーズ的な、隠密行動しながら、見つからないように敵を倒すっぽいハードなゲームの動画に見入っていた。他の子らはけっこうドンパチやっている感じの画面だったのに対し、その子の画面だけやけにシリアスで緊張感ある雰囲気になっていた。

普通に流血表現などがあったので、レーティング的には18歳以上とかそういう内容のゲームだと思うが、一般的に、いまの小学生たちは、そういうゲームを普通に楽しみ、話す相手がいるのだろうか。仲間うちで、どのライフル銃が一番かっこいいか話したいのに、ポケモンGOの情報交換などに話を合わせているのか、それとも、敵の注意をひくための手榴弾の使い方などを話す友達がいるのか、わからないが、上記の子が動画を見る姿は、真剣そのもので、きれいな感じがした。

30歳を超えた人間が、小学生たちの背後で画面をじっと見ているのはおそらく問題があると思ったので、気づかれないうちに、その場を去った。

ウィーン・プラハ・ヘルシンキ

休みの間は旅行に出ていた。主に父親の旅に同行する形で、ウィーン、プラハヘルシンキの3都市をまわった。どの都市も初訪問ではなく、特にウィーンとプラハに関しては昨年夏にも行っていたので、一年経たずして再訪した形となった。。。短期間で2回、訪れるとは思っていなかった。

ウィーンで見かけた、どこかの住宅の窓際。乱雑で、汚いのだが、個人的趣味としては、こういうものが落ち着く感じがする。空のミネラルウォーターのペットボトル、片方だけのスニーカー、やけに青々とした小さいレモンの木、布切れなど、関連性のないものが適当に置かれている。台にもホコリや土が積もっていて、きれいに飾ろうという気はないと思われる。ただ単にいらないガラクタをここに集めただけなのかもしれない。犬やカラスが、彼らの審美眼で、よくわからないものを寄せ集めるような、無垢な装いがある。

オットー・ワーグナーのウィーン中央郵便局、アドルフ・ロースアメリカン・バーなどは、再び見られてよかった。

ミュージアム・クォーターのDesign Austriaという棟では、オーストリアのタイプデザイナーの展覧会などもやっていた。2,3年前にRed dot awardsなど受賞していたSindelarなど、見たことのあるタイプフェイスもあった。

プラハのキンスキー宮殿内にある国立美術館では、ドイツの画家ゲルハルト・リヒターの大規模な回顧展が行われていた。初期の作品から最新作まで、代表的な作品がかなりの量、展示されていた。好きな作家なのだが、どのように解説してよいのか未だに良くわからない。写真でもなく、絵でもなく、対象物の輪郭は常に焦点が合っていなく、とにかく薄ぼんやりと虚ろな感じが好きなのだが、何と言って良いのか、良くわからない。

ヘルシンキは3年ほど前に一度、来たことがある。その時もアアルトのスタジオと自邸を見学した。今回も見学し、とても良かった。空間自体はコンパクトなものなのだが、家具類や調度品、テキスタイルなどの諸要素との複合的な構成が相当にうまいと感じる。アアルトの死別した最初の妻も、二人目の妻も、家具やテキスタイルのデザイナーだったので、その二人との協業の結果との解説を受けた。。

1週間ほどで、3都市を回り、もろもろのものを見た。見るだけなら、誰でもできることだが、見た。

モネの庭

かつてよく遊んでいた公園への入り口。春ももうだいぶ進行したので、草がモサモサと生い茂っていた。この写真とは全く関係がないが、事務所の窓から見える景色も、日に日に緑が色濃くなっていくのがわかる。

この空き地のような、全く手入れされていない、複数の種が入り乱れた状態は、整理されていないのに見ていて落ち着くものがある。完全に枯れて色が落ちた背の高い草があって、今まさにポンポンと花開いている小さい草があって、奥には何種類かの樹木があって、手前にはやや南国調の趣のある低木があって… ぐちゃぐちゃとしてるのが、逆に光や色の拡散になって、良い感じだと思う。

完成度が違うが…こういう、ごちゃっとした庭は、かつて訪れた、フランスのGivernyにある印象派の画家クロード・モネの家の庭がまさにそういうもので、そこで自分は、そのごちゃごちゃ感の美しさを知って、強い衝撃を受けた…。ガーデニングなどだと、つい、植物の背の高さや、色彩などで、植物をバランス良くゾーニングして配置してしまいがちだと思うが、そのモネの庭は、見ようによっては、草花が好き勝手に生えたんじゃないのかと思えるような、混沌とした植栽になっていた。全方向に飛び散るように伸びまくる大小の葉っぱと、パラパラとそこらじゅうにばら撒かれたようなカラフルな小花で、光が乱反射して、庭全体がハレーションを起こしているような感じがした。モネは、景色を光の粒子に変えて、点描で描くという技法を開発して印象派を確立したが、この庭を見ると、本当にモネの絵の印象がそのまま現実化したような感じで、モネはこの庭をそのまま描いていたのだということが、よく分かった。

ちなみに、浜松市のガーデンパークという公園にも、この「モネの家」「モネの庭」を再現したという触れ込みの、「モネの庭」という一角がある。かつて開催された浜松花博というイベントの目玉の一つだったと思うが、「家」のほうはまだしも、「庭」は、本物と比べるとあまりにも違う。。地理的な要因で、そもそも太陽光の雰囲気がフランスと日本では違うだろうから、全く同じ植栽にしたとしても、たぶんあの乾いた光の乱反射の感じは再現できないのだと思うが…